「コロ」付きの自転車
精神科で扱われる薬は、患者自身に必要性が感じにくいために処方されても飲めないということが結構多いように思われる。
僕自身も何度も服薬を拒否したいという旨を伝えてきた
僕は退学寸前だとしても医学生なので薬の副作用についての詳しい説明がほしかったのだ
半減期などもわかればもっと安心して治療を受けることができる
新しい薬を処方されるたびに副作用について教えろと言ってきたが毎回副作用の説明は飲んだ後に行われた。(本当に許せない、頭おかしいと思う)
エビリファイを24mg 飲み続けた結果薬剤性パーキンソニズムと呼ばれる状態になったので、少し減らして様子を見て、最終的には主治医の指示で完全にやめた
今は炭酸リチウムをメインにした治療に代わっている
炭酸リチウムの副作用はあまり感じないので、合う薬があってよかったなと思っている
精神科の薬を飲めない理由はいろいろあるが、性格が変わってしまうのではないかということが最も一般的な薬を飲みたくない理由ではないかと思う
エビリファイや炭酸リチウムは自転車の「コロ」なのだ
自転車が僕たち自身の性格、脳のすべてだ
僕たち精神疾患者は何のサポートもなしだと自転車に乗れない。
自転車に乗れない人は「コロ」をつけて乗る練習をする
そしてバランスを取りやすくして自転車の乗り方を自分自身の体でつかむのだ
そしたら「コロ」を外しても自転車に乗れるようになっている。
エビリファイやリチウム、その他のたくさんの精神科の薬は幸か不幸か
我々の自転車を壊すことはできない。性格を変える薬なんて見つかってないんだ。
「コロ」付きでもいいからとにかくこけずに過ごしてみること。
病院だとこけても大丈夫なので僕は自分から閉鎖病棟に入ることを望んだけど
そこまでする必要がない人も多いだろう。
普通の人からしたら自転車に乗れることなんて当たり前かもしれない
だけど僕たちは他人よりも乗りこなしづらい自転車を持っているのは事実だから
自信をもってコロを付けるべきだと今は考えている。